共有持分を売却しようと決めたきっかけは?よくある事例をご紹介

公開日:2020/04/01  最終更新日:2020/04/13

共有持分では不動産に対する権利の行使が自己所有の持分のみに制限されるため、不動産自体の売却や改修といった変更を加える行為が出来ません。自分の物でありながら、完全自由に使うことが出来ない共有持分の売却を決めたきっかけの多くは共有状態を解消するためです。

離婚による共有状態の解消のため

結婚する時に一緒に住む家を夫婦で購入するのはよくあることです。例えば夫が住宅ローン3,000万円を組み、妻が頭金1,000万円を出して4,000万円の家を買った場合、この家は夫婦の共有持分で所有されます。

夫の持分は4分の3、妻の持分は4分の1です。 一緒に住んでいる間は問題にならない共有所有ですが、いざ離婚となった時に多くの場合は対象の家は売却を検討することになります。一緒に住まない家を売却して、その売却金を持分に応じて分配する方法です。

共有持分のみを単独で売却することも可能ですが、持分のみの売却は市場価格よりも大幅に安くなることがほとんどです。なぜならば、共有持分の所有者のみでは不動産を売却することも利用することもできないからです。複数の持分所有者全員が同意すれば、一つの不動産として売却が可能ですので、前述のような夫婦共有の時は夫婦二人が同意した状態で住んでいた家を売り出すことになります。

あるいは、夫がそのまま住み続けるために妻の持分1,000万円分を夫が買い取るというパターンもあります。妻の側から見ると夫に共有持分売却をすることになります。夫側は買取持分に相当するお金を支払うことになるため現金が必要になりますが、単独所有の不動産を得ることができる点がメリットです。単独所有であれば、以後は不動産を自分だけの判断で売却や賃貸収益に出すことが出来る様になります。

相続による共有持分の解消のため

そもそも共有持分という状態が発生する理由の多くは相続によるものです。相続発生時、遺産分割協議を行なって現金や不動産を分配するのが一般的ですが、意見が分かれて分割できなかったり、深く考えずに相続人全員の共有にしてしまうことがよくあります。特に不動産は物理的に分けがたく、現金化に時間がかかるのでとりあえず法定相続通りに相続登記してしまうことがあるようです。

相続人の多くは兄弟姉妹、親族ですので、関係性に問題がないときは共有状態でも特段問題を感じることはありません。しかし、その後の人間関係の悪化や家族構成の変化をきっかけに共有持分売却の話が進むことが多くあります。

お父さんが亡くなった場合、母とその子供たちが相続人になります。父の相続が終わった直後に不幸にも母が亡くなると、母の相続分もまた複数人の子供達が共有することになります。より複雑化する権利関係の解消をきっかけにして共有持分を整理することをようやく決めたというわけです。

相続人の関係が悪くない場合は、共有者同士で持分の売却や贈与を進めて行くことが一般的です。第三者への共有持分売却は法律的には可能ですが、現実的には購入希望者が少ないこと、評価額がかなり安くなることが考えられます。

贈与の場合は、贈与税がかかりますので安易に持分をあげてしまうのは危険です。親族間であっても共有持分売却という方法で明確に清算することが望ましいでしょう。

購入資金を提供した場合の共有状態の解消

不動産を購入する際に資金を提供すると、不動産に対する持分を持つことになります。資金については現金やローンといった種類を問わず、提供者が購入した家に住むかどうかも問いません。

一般的には夫婦が自分たちが住むための家を2人で買って夫婦共有にするパターンですが、親から資金提供を受けて新婚住居を買う、同居するための家を親子で購入するというのも日本では多いパターンです。

たとえば親が4,000万円を負担して子供が1,000万円の資金を出して同居する家を買った時は、親が5分の4持分で子供が5分の1持分の不動産所有者になります。同居しているときは問題を感じない共有不動産ですが、親が老いを深めていく中で共有持分売却の話が出てきます。

親が亡くなり相続になった場合を考え始めると、家に住んでいないのに持分を持つ兄弟が出てくることが想像できます。子供2人のみが相続人になる法定相続分を検討すると、家に住んでいる者が持分5分の2と5分の1でトータル5分の3持分になり、非居住者である子供が5分の2持分です。親と同居していた方からすれば、ずっと住んでいた自分の家の3割以上の権利を別のものが手にしているのはあまり気分の良いものではないという争いの元になります。

あるいは、親が認知症になってしまった時を心配して、意思がはっきりしている時に権利関係を整理しておきたいという気持ちが持分売却を決めたきっかけになることもあります。

 

資金提供や相続といった事情から発生する不動産の共有状態は、人間関係が安定している時には特に大きな問題を感じません。離婚や人の死亡といった心理的にも負荷がかかりやすい事態をきっかけにして、共有状態の解消が現実味を帯びてくることがほとんどです。可能であれば、急に迫られて決断するのではなく余裕のある時から共有持分売却について冷静に判断していくことが好ましいでしょう。

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