共有持分売却時にかかる税金とは?節税対策も合わせて解説!

公開日:2021/11/15  最終更新日:2021/09/06


不動産の「共有持分」は売却が難しく、所有しているだけでコストがかかるので、手放したいと考える方もいらっしゃると思います。共有名義の不動産を売却するなら、まずは他の共有者との話し合いから始めることが大切で、適切な行動をとらないとトラブルに発展することもあります。また、発生する税金についても、知識を身につけておきましょう。

共有持分を売却する方法を改めて確認!

共有持分を売却する方法はいくつか考えられます。

■共有者全員の同意を得て、不動産のすべてを売却する
共有者の意見が一致していれば、共有不動産全体を売却でき、最も一般的で簡潔な方法です。売却代金は各自の持分の割合に応じて分配されます。通常の不動産売買と同様に相場価格での売却が可能ですが、共有者が一人でも反対していれば、売却することはできません。

■自分の共有持分のみを売却する
自分の共有持分のみであれば、他の共有者の同意がなくても売却できます。ただし、活用が難しい共有持分の需要は薄く、売却価格は相場よりも低くなることが考えられます。また、第三者の介入によって、トラブルに発展する可能性もあるでしょう。

■共有不動産を分筆して売却する
「分筆」とは、1つの土地を2つ以上に分割することです。持分の割合に応じて分割し、それぞれ単独所有にすれば自由に売却できますが、「分割すると狭い」「土地の形状が悪くなる」など、活用が難しくなる場合は売却価格が相場より下がることもあります。

共有持分売却時にかかる税金とは?

不動産売買で得た所得は「譲渡所得」と呼ばれ、次の計算式で求められます。

譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用

取得費は売却した不動産の購入時にかかった費用で、譲渡費用は不動産売却時にかかった費用のことです。どのような売却方法であっても、共有持分の不動産を売却し譲渡所得がプラスになったなら、税金を納める必要があります。

■所得税
所得税は、年間の所得に応じて国税庁に納める税金です。譲渡所得は給与所得などとは別に税率が定められている「分離課税方式」に区分されており、所有年数によって変動します。所有年数が5年超の場合は「長期譲渡所得」となり所得税率は15%、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」で所得税率30%となります。

所得税=譲渡所得×税率

譲渡所得に定められた税率を乗じて求めることができます。

■住民税
住民税は県民税や市民税といった地方税で、所得に応じて住んでいる都道府県や市区町村に納めます。住民税の税率も不動産の所有年数によって変動し、所有年数が5年超の「長期譲渡所得」は住民税率5%、所有期間が5年以下の「短期譲渡所得」は住民税率9%となります。

住民税=譲渡所得×税率

所得税と同様、譲渡所得に定められた税率を乗じて求めることができます。

■特別復興税
東日本大震災の復興費用にあてるため、2037(令和19)年までの課税が定められており、税額は所得税の2.1%です。

■その他の税金
登記簿謄本に設定された名義等を変更したり抵当権を抹消したりするときにかかる「登録免許税」は、抵当権が残っている不動産の個数によって異なります。売買契約書に収入印紙を貼付し、消印をすることで納税する「印紙税」は、契約書の作成にかかる税金で、取引額に応じて税額が決められています。

共有持分売却時の節税対策はある?

譲渡所得を得た場合には、共有者全員が確定申告をする必要があります。利益が出なければ、確定申告は原則不要ですが、特例や税金控除を受けられ可能性があるかもしれないので、申告をしておくほうがよいでしょう。

■購入時や取得時の契約書類、領収書、資料等を用意する
購入時や取得時から売却時までの契約書類や領収書、納付書、その他資料等が多数あれば、譲渡所得を圧縮できる可能性が高まります。増改築費用やリフォーム費用も取得費に加えることができます。資料等を紛失してしまった場合でも、税理士に相談すると資料を作成してもらえ、役所などで確認できることもあります。

■各種特別控除を適用する
区画整理事業や造成事業などのために土地を売却したとき、マイホームを売却したときなど、条件が合えば「特別控除」が受けられるケースやタイミングがいくつかあります。自分のケースが条件に当てはまるか、タイミングのいい時期はいつか、など調べて積極的に活用しましょう。

■税率が下がったタイミングで売却する
前述したように、所有年数に応じて税率が変動するので、短期譲渡所得から長期譲渡所得に変わる所有期間が5年超のタイミングで売却するのが節税になります。

 

共有持分の売却は容易ではなく、トラブルをともなうことも多いため、共有者同士できちんと話し合うことが大切です。それぞれの売却方法にはメリット・デメリットがあるので、それらを理解して状況に合う方法を選ぶのとよいでしょう。不動産の税金に関しては、一般にはわからないことが多いといえます。特別控除に該当するか、売却時期はいつがいいかなど、正確に知るためにも専門家に相談するのもおすすめです。

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