不要な不動産を相続するなら共有持分売却と相続放棄どっちを選ぶ?

公開日:2020/06/01  最終更新日:2020/06/04

不要な不動産を相続すると固定資産税などの費用を負担することになります。使わない土地や建物などを相続して余計な費用が発生するのを防ぐには、共有持分売却や相続放棄などの方法が考えられます。不要な不動産は、なるべく早めに処分してしまうのがよいでしょう。

相続によって不動産が共有になる場合について

複数人で資金を出し合い土地や建物を購入した場合には、所有権を共有することになります。相続よって不動産を取得した場合も、遺産分割を行わなければ基本的に共有名義で登記されます。共有不動産を第三者に譲渡するには、建物全体を売却する方法や共有持分売却を行う方法などがあります。

所有権を共有している場合の持分は権利の割合を表しており、土地や建物の具体的な面積を表しているわけではありません。土地や建物全体を複数の権利者が持分に応じてそれぞれ所有することになります。

相続によって共有持分となる場合は、基本的に法定相続分の権利が確定します。法定相続分とは民法に定められた法定相続人の取り分のことです。

相続人は子が第1順位となり直系尊属と兄弟姉妹がそれぞれ第2、第3順位となります。配偶者は必ず相続人となりますが、他の相続人の順位によっては相続分が異なります。

子が相続人になる場合の相続分は、配偶者と子がそれぞれ2分の1ずつです。直系尊属が相続人になる場合は、配偶者が3分の2で直系尊属が3分の1を相続します。兄弟姉妹が相続人の場合には、配偶者が4分の3で兄弟姉妹が4分の1となります。

共有不動産は共有者の1人が勝手に売却することはできず、他の共有者全員の同意を得なければなりません。ただし自分の持分であれば単独で売却できます。土地や建物全体を売却できない場合は、共有持分売却をするのも1つの方法です。

相続した共有不動産の処分方法について

相続した共有不動産全体を売却したくても、他の共有者が反対すれば不可能となります。使用しない土地や建物を所有していても固定資産税などの費用がかかるだけなので、早めに手放してしまった方が経済的です。

土地や建物の全体を売却できない場合は、共有持分売却を行うとよいでしょう。この方法ならば他の共有者の同意がなくても単独で行うことができます。

ただし共有持分は複数人で所有する物件の権利なので買主が自由に使用することはできません。一般的に売却価格は適正な市場価格の5割から7割ほどとされています。

買主にとって他の共有者が全く知らない他人であることが多く不便なため、購入希望者を探すのが難しいという問題もあります。 共有持分売却を行うのであれば、他の共有者に譲渡するか専門業者に相談するとよいでしょう。

共有不動産は一般的な物件と比べると特殊なので、専門的に扱っている業者に相談するのが効率的です。専門業者は特殊な物件を扱うノウハウを持っており高値で買い取ってもらうことができます。

経験豊富なスタッフがサポートしてくれるので手続きもスムーズです。専門業者に相談すれば、素早く売却することができ、固定資産税などの余計な負担が発生するのを回避できます。

共有持分は売却だけでなく放棄することもでき、放棄された持分は他の共有者に帰属します。ただし放棄された持分はみなし贈与とされ、贈与税が発生するので注意が必要です。

相続放棄をすれば負担を免れることができます

共有不動産の処分方法には売却以外にも持分放棄や相続放棄があります。持分放棄は共有持分を放棄することで、相続放棄はそもそも相続人にならないための手続きです。

土地や建物の持分を放棄すると持分は他の共有者にそれぞれの共有割合に応じて帰属し、みなし贈与となるため贈与税が発生します。特定の共有者にのみ持分を放棄することはできないので、特定の人に譲渡したい場合は持分を贈与することになります。この場合は持分の全てが特定の共有者に帰属し、贈与税が課税されます。

持分放棄と相続放棄は混同されがちですが、実際には全く異なる手続きです。相続放棄とは被相続人の財産について全ての権利を放棄することを指します。

この手続きは相続開始を知ってから3か月以内に行う必要があります。様々な必要書類を揃えて裁判所で相続放棄の申述をしなければなりません。手続きは自分で行うことも可能ですが、弁護士に依頼すれば煩雑な作業を全て任せられるので効率的です。

相続を放棄した場合は全ての権利を放棄して最初から相続人にはならなかったものとされます。預貯金や不動産などプラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産も放棄することになります。明らかに負債が多い場合や、財産を特定の相続人に承継させたいような場合は相続放棄をするとよいでしょう。

共有持分売却を行う場合には売却益が得られますが、相続放棄をした場合は利益も損失も発生することはありません。状況に応じて最適な方法を選んで財産を処分することが重要です。

 

不要な不動産を相続した場合には、使用しなくても固定資産税などの費用が発生します。無駄な費用が発生するのを防ぐためには、不要な不動産を早期に処分する必要があります。

共有持分売却を行えば売却益を得ることができますが、相続放棄をすると最初から相続人とならないため利益も損失も発生しません。状況に応じて最適な方法を選んで不要な不動産を処分するとよいでしょう。

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