不動産の共有者が亡くなった場合、相続や手続きはどうする?

公開日:2022/08/15  最終更新日:2022/07/05


不動産の共有者が、病気や事故で亡くなってしまった場合について考えていますか。共有者が亡くなると必然的に残りの所有者だけが不動産の持ち主になると考えている方は多いですが、実際は違います。共有者不在となった不動産は一体誰のものになるのか、法律で定められた内容や残った人が行うべき手続きについてご紹介します。

亡くなった共有者に相続人がいる場合

共有者に相続人がいる場合は、法律に基づいて相続人が不動産を相続することになります。残された財産を相続する権利を持った人が、相続人とよばれる存在です。

■配偶者や子どもが相続人となる

第一に財産を相続する権利を有するのは、亡くなった人の夫や妻です。これは内縁の存在ではなく、法的な配偶者である必要があります。夫婦の関係が悪く他に愛人がいた、という場合でも配偶者は必ず相続人です。配偶者の次に相続権があるのは、亡くなった人の子どもです。

■相続できる割合が決まっている

相続人がそれぞれ遺産をどれくらいの割合で相続できるのか、ということも法律で定められています。法定相続分といいますが、相続人同士で相談して上手に分割できるのであれば法定相続分に従わず配分の割合を決められます。基本的には配偶者が遺産全体の1/2、子どもが残りの1/2です。子どもの人数が2人、3人と多い場合は、1/2をさらに同じ割合でそれぞれの子どもに配分します。

亡くなった共有者に相続人がいない場合

相続人がいない場合でも、相続人に相当する人物が存在する可能性があります。

■特別の縁故があった人を見逃さない

相続人以外に「特別の縁故があった人」という分類があります。遺産を持つ方と生前とくに親しくしていた人物で、たとえば愛人などがあたります。特別の縁故があった人は相続人ではないのですが、遺言書や本人からの申し立てにより財産を相続する権利を得られる場合があります。

つまり、新たな不動産共有者となれる可能性を秘めた人です。家庭裁判所が相続権利ありと判断すれば、残された不動産の所有権は特別の縁故があった人のものとなります。相続人がいないと判断してしまう前に、特別の縁故があった人の存在も確認しておくと安心でしょう。

■特別の縁故者に相続されなければ残った共有者のもの

特別の縁ゆえに不動産所有権が相続されない場合、ようやく残された不動産共有者が所有権利を獲得します。ただ、相続人となる家族が一人もいないというのは珍しい状況です。遠縁でも法律上で認められる相続人であれば問題ないため、共有者として残った場合には本当に相続人がいないのかをしっかり確認しましょう。

共有者が亡くなった後の手続き

不動産の共有者が亡くなった後の具体的な手続きを順にご紹介します。

■相続人の有無や人数を確認

まずは相続人がいるかどうかを確認します。配偶者や子どもなど、相続人は一人だけではないことが多いでしょう。つまり新たな不動産の共有者が複数人いる、そして所有権の割合がそれぞれ異なるという複雑な状況が発生します。

■それぞれの相続人が相続する割合を確認

法律で定められた割合で相続するのか、それとも相続人同士で相談して決めた割合で相続するのか、あるいは相続人以外が相続するのか、いくつかパターンが発生するはずなので確認しましょう。

■相続登記を行う

相続人は相続する遺産のうち、名義変更が必要なものがあれば変更します。これを相続登記といいますが、不動産は名義変更が必要です。登録するまでは亡くなった共有者に不動産取り扱いの権利があるため、不動産に関する法的な手続きを行うことができません。もし不動産の売却といった手続きを検討中の方は、早めの相続登記を新しい共有者に促しましょう。

亡くなった共有者の持分を取得するには

自分が相続人でなければ、共有者が亡くなっても別の人と不動産を共有していくことになります。また相続人であったとしても、自分以外の相続人と共有していくこともあるでしょう。しかし最初の共有者が亡くなったことをきっかけとして、今後は一人で不動産を持ちたいという考えに至るかもしれません。亡くなった人の不動産所有権を取得する方法についてご紹介します。

■新たな共有者から権利を購入する

共有者が亡くなって相続人がいる場合は、相続人が新しい共有者となります。もし新しい共有者が納得する金額を提示できれば、残された不動産所有権をすべて購入することが可能です。しかしもともと共有名義で不動産を所有していたのは、経済的な部分など何かしらの理由があったからでしょう。すべてを自分だけで所有していく財力がある方であれば実行できる手段です。そして相続人は一人とは限らないため、数名が納得できる金額を提示できるかどうかもポイントとなってきます。

遺言状で相続人として指定してもらう

正式な手続きによって残された遺言状では、例え相続人がいる場合でも優先されます。共有している友人に譲る、相続人のうち一緒に不動産を共有している子どもにだけ譲る、といった指定が可能です。

ただ遺言状に対して、法的に相続人として権利を持つ方々が異議申し立てを行う場合があります。遺留分といって、どんなに他の人へ相続する意向を遺言状で示していても、配偶者や子どもなどは最低限の割合で財産を相続できるのです。遺言書では心もとない場合は、所有権を購入するのが確実な方法でしょう。

 

不動産共有者が亡くなった場合、配偶者や子どもが相続人として新しい共有者となります。もし相続人にあたる存在が一人もいない場合は、不動産共有者がすべての不動産の所有者となります。共有者が亡くなったあとは相続人をしっかり特定して、相続登記を行いましょう。不動産の共有を解消してすべての所有権を獲得したい場合は、新しい共有者から所有権を買い取ったり共有者が亡くなる前に遺言状で相続者の指定をしてもらうことが必要です。

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