共有者が行方不明!持分売却をするのに【失踪宣告】は必要!?

公開日:2020/08/15  最終更新日:2020/07/15

複数の人間で共有している不動産を売却するには権利者全員の同意が必要になりますが、必ずしも同意が得られるとは限りません。共有者の中に同意しない人がいる場合や行方不明者がいる場合は、不動産全体の売却が困難になります。全体の売却が難しい場合でも共有持分売却を単独で行うことは可能です。

行方不明者がいる場合に不動産を売却するには

共有名義の不動産を売却するには共有者全員の同意を得なければならず、1人でも同意しない人がいる場合は売却できなくなります。また共有者の中に行方不明者がいる場合は同意を得ることができないので、他の権利者全員が同意していても不動産の売却ができません。

行方不明者がいる場合には住民票などを手がかりに追跡調査を行うことも考えられます。しかしプロの探偵などではない素人が自分で調査を行うのは困難です。

共有者の中に行方不明者がいる場合には不在者財産管理人を選任すれば不動産を売却できるようになります。不在者財産管理人とは行方不明者の財産を管理するため裁判所によって選任される者です。この制度では不在者の配偶者や相続人、債権者などの利害関係人の他に検察官が申立を行うことができます。

不在者財産管理人の申立には申立書の他も本人の戸籍謄本や戸籍附票、財産管理人候補者の住民票や戸籍附票などの書類が必要になります。管理人が選任された場合の権限は、財産の保存行為と性質を変えない範囲での利用・改良行為に限定されます。保存行為や利用・改良行為を超える場合には家庭裁判所の許可を得る必要があります。

行方不明者がいる場合には不在者財産管理人を選任すれば不動産の売却が可能です。ただし家庭裁判所の許可が必要になるので手間がかかります。不在者財産管理人を選任するのではなく、失踪宣告を受けるという方法も存在します。

失踪宣告を受ける場合の手続きについて

共有者の中に行方不明者がおり不動産を売却したい場合には、不在者財産管理人を選任するのではなく失踪宣告を受けるのも1つの方法です。この制度は行方不明者の生死が分からない状態が一定期間続いた場合に利用できます。

利害関係人の申立に基づいて家庭裁判所が失踪宣告をすると、不在者が法律上死亡したものと見なされます。失踪宣告には生死が7年間不明な場合に利用される普通失踪と、戦争や船の沈没など特別な危難に遭遇した場合に利用される特別失踪の2種類があります。特別失踪は危難が去った後で生死が1年間不明な場合に利用できます。

失踪宣告の申立ができるのは不在者の配偶者や相続人、財産管理人や受遺者など法律上の利害関係人です。申立を行うには申立書の他に本人の戸籍謄本や戸籍附票、失踪の事実や申立人の利害関係を証する資料が必要になります。

失踪宣告の申立を受けた家庭裁判所は、所定の期間を定めて不在者に対して生存の届出をするように官報や掲示板で催告します。不在者の生存を知っている者に対しては、その届出をするよう催告が行われます。

失踪宣告がされると行方不明者が死亡したものとされるので相続が発生します。相続人がいない場合には他の共有者に持分が帰属することになります。

失踪宣告によって財産を承継した相続人や他の共有者が同意すれば、不動産全体を売却できます。行方不明者がいる場合に不動産全体を売却するのは手間がかかりますが、共有持分売却であれば単独で行うことが可能です。

行方不明者がいても共有持分売却は単独でできます

共有不動産を売却するには共有者全員の同意が必要となりますが、共有持分売却であれば単独でできます。権利者の中に行方不明者がいる場合には、不在者財産管理人制度や失踪宣告制度を利用すれば不動産全体を売却することも可能です。

しかしこれらの制度を利用して実際に不動産を売却するまでには手間と時間がかかってしまいます。急いで不要な不動産を現金化したいような場合には、不動産全体を売却するのではなく共有持分売却を単独で行うとよいでしょう。共有持分売却であれば他の共有者の同意は不要なので、行方不明者がいても素早く手続きを進めることができます。

ただし共有不動産の持分は扱いが難しいため買い手を探すのが難しいという特徴があります。例えば不動産全体を売却する場合は変更行為に該当し、共有者全員の同意を得なければなりません。

また不動産全体を賃貸する場合は管理行為に該当するため、持分の過半数の同意が必要になります。扱いの難しい共有不動産の持分を売却したいのであれば専門業者に相談するとよいでしょう。

専門業者に相談した場合には仲介か買取のいずれかの方法で共有持分売却を行います。前者の場合は買い手が見つかるまで多少時間がかかり仲介手数料も支払う必要があります。しかし買取と比べて高値で売却できるというメリットが存在します。

後者の場合は業者が直接的に買い取ってくれるのですぐに現金化できます。ただし業者は転売して利益を得なければならないので買取価格は低くなります。あまり急いでいないのであれば高値で売却できる仲介を選ぶとよいでしょう。

 

共有不動産の全体を売却するには共有者全員が同意が必要になります。権利者の中に行方不明者がいる場合には同意を得ることができません。不在者財産管理人制度失踪宣告制度を利用する方法もありますが、時間と手間がかかります。

共有持分売却であれば単独でできるので専門業者に相談するとよいでしょう。状況に応じて仲介か買取のいずれかを選ぶことになります。あまり急いでない場合は高値で売却できる仲介がおすすめです。

おすすめ関連記事