相続した共有不動産の名義を一本化したい!共有を解消する方法とは

公開日:2022/06/15  最終更新日:2022/07/05


相続した不動産の相続人が複数名いる場合、特に深い理由がなく共有名義にする方も少なくありません。深く考えず、とりあえず相続してしまいがちな不動産ですが、慎重に考えて相続する必要があります。そこで本記事では、共有不動産のデメリットや持ち分の変更方法について紹介します。

共有不動産の1本化とは

不動産は本来、単独名義で所有するのが望ましいとされています。単独の所有者にしておくとトラブルになりにくいのが主な理由ですが、一方で単独名義でない不動産が多く存在しているのも事実です。不動産が複数人で所有することになる場合で最も多いのが、相続で残された不動産に対し、複数の相続人がいるケースです。相続人が複数いて、とりあえず法定相続分の割合で不動産を持っておこうと考える方が多いため、単語名義でない不動産が多く存在するのです。

しかし、不動産を複数人で所有するのにはデメリットも多いため、後々「共有不動産の1本化」を行うケースも珍しくありません。共有不動産を1本化するというのは、複数の名義で登記している不動産を一人の所有者に変更することを指します。

共有している不動産の持ち分を変更する手続きが必要となり、売買と贈与の2つの選択肢があります。売買の場合は、金銭などの対価が支払われるのに対し、贈与の場合は対価の支払いが発生しないのが主な違いです。ただし、贈与の場合は贈与税の支払い義務が生じるケースがあるため、どちらを選択するかは慎重に検討しなければなりません。

不動産を共有名義にするデメリット

不動産の共有にはさまざまなデメリットがあります。

まず、最も大きなデメリットとして挙げられるのが、権利関係が複雑になる問題です。共有不動産の相続人の誰かが亡くなった場合、死亡した共有者の相続人が新たな共有者となります。たとえば、姉妹で共有している不動産があり、姉妹のどちらかが死亡した場合、死亡した方の配偶者や子どもが相続人となるのです。場合によっては全く疎遠になっている相手と不動産を持つことになり、後々売却しようとしたり、経費精算をしたりする際にトラブルになる発展してしまうケースがあるでしょう。

また、共有不動産の場合、売却するには登記している人全員の合意が必要です。誰かが売却に反対したり、疎遠になって連絡が取れなくなったりしていると悩むことが考えられます。なお、不動産を所有していると、必ず固定資産税や管理費、メンテンナンス費用がかかります。共有している不動産に共有者の誰かが住んでいる場合は、居住者が支払うのが一般的です。しかし、誰も住んでいない不動産がある場合は、共有者同士で相談して費用の負担具合を決めなければなりません。かかる費用を平等に分割すると決めた場合、定期的に費用を清算しなければならず、手間に感じることでしょう。

共有不動産の名義を一本化する方法

共有している不動産の名義を一本化する方法として、3つの選択肢があります。車や携帯電話の名義を買えるのとは異なり、気軽に変更するのが難しい点には注意が必要です。3つの選択肢には「売買」「贈与」「遺産分割を用いる」という方法がありますが、最後の「遺産分与を用いる」場合は一定の条件を満たしている必要があります。

まず、売買の場合は、共有者の持ち分を、単独名義人になろうとする方が購入することで成立します。この場合、単独所有者になる方にある程度資金がある状況が前提となります。親族間での不動産売買は、金融機関からの融資が受けられないケースが多く、自己資金を持っておく必要があるのです。

一方、共有者同士が話し合いを行い、納得すれば対価を発生させない贈与という選択肢もあります。シンプルな方法に思われがちですが、贈与税が発生するのが最大のデメリットです。贈与税の税率は非常に高く、慎重に検討しなければ大きな問題になるでしょう。

最後に、遺産分割を用いる方法は、おすすめの選択肢といえます。税金を発生させず、売買も行なわずに共有状態を解消できるからです。この方法を用いるには、共有名義とする際、法定相続で登記したかどうかが重要なポイントとなります。すでに「遺産分割」を行い、共有割合を決めているなら、遺産分割を完了しているとみなされますが、法定分割で登記している場合は、共有持ち分を遺産分割によって変更できるのです。

遺産分割による移転登記の可否判断

株式や預金に関して遺産分割を完了しているものの、不動産の遺産分割は完了していないという場合、遺産分割で不動産の共有持ち分を変更できます。また、遺産分割をする前に、共有者の誰かが死亡している場合も、遺産分割で持ち分を変更できます。ただ、この場合は死亡した方以外の共有者全員で遺産分割協議を行わなければなりません。

また、数十年前に遺産分割を行わず、法定相続の割合で所有している不動産を、後々遺産分割で持ち分を変更することも可能です。法定分割をしてから時間が経過している場合でも、遺産分割は有効なのです。なお、遺産分割を用いて持ち分を変更できるかどうかが判断できない場合は、専門家に相談するようにしましょう。

 

遺族が死亡し、遺産として残った不動産を、複数の相続人の名前で登記するのはおすすめできる選択肢ではありません。後々持ち分を変更するのに手間がかかったり、高額な税金がかかったりするからです。ただし、一度登記したものを、変更できないわけではありません。売買・贈与・遺産分割の3つの選択肢があるため、共有者と相談して最適な方法を選択するようにしましょう。

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