権利者間で共有持分売却をするメリットとは

公開日:2021/05/15  最終更新日:2021/04/05


1つの不動産で複数の権利者がいるとき、それぞれの権利者に割り当てられた所有権の割合を共有持分といいます。共有持分については、権利者が希望すれば売買することが可能です。取引をする相手が第三者ではなく、他の権利者であっても問題はありません。では権利者間で共有持分売却をするときには、どのようなメリットがあるのか紹介しましょう。

単独の所有になれば不動産の売買がしやすくする

ひとつの不動産を複数の権利者が持つことで想定される最大の問題が、売却をするときに権利者全員の同意が必要となることです。過半数の権利者が同意していても、反対する人が1人でもいれば売却は難しいでしょう。

反対意見には「売却することは同意だけど、価格で折り合いがつかない」という場合も含まれます。仮に、生活のため、事業のために権利者の1人が不動産を売却しようとしても、他の権利者が反対すれば実現は困難になるのです。

不動産売却はまとまった現金が手に入る手段であり、売れないからといって他の手段で資金調達をするのは難しいものでしょう。そのため、金銭面で追い詰められた権利者は、自己破産する、事業を畳むことを余儀なくされてしまいます。

このようなときは、あらかじめ権利者間で共有持分売却をして、権利をひとつにまとめていれば不動産の売買をしやすくなるというメリットがあるでしょう。合意を得る手間を省ける分、すぐに現金が手に入ります。共有持分を手放す権利者も、充分な金額で取引をしていれば損をする心配はありません。

もちろん、売却を踏まえて権利者間で共有持分売却を依頼したとしても、それに他の権利者が応じてくれる保証はないのです。不動産の売却を認めず共有持分売却も応じないという場合は、話が頓挫してしまうでしょう。

権利者同士の仲が良好であればスムーズに話が進みやすいようですが、不仲であれば当人同士が交渉するは避けたほうが無難です。その場合は交渉のプロである弁護士や不動産会社といった第三者を交渉の窓口にしたほうが、説得しやすいでしょう。

リフォームやリノベーションがしやすくなる

家は年月が経てば劣化し、住人のライフスタイルも変わります。そのためリフォームやリノベーションのように、建物に手を加える必要が出てくるでしょう。権利者が1人であればすぐに着工できるのですが、権利者が複数いる状態では話をスムーズに進めることが難しくなります。

まず、屋根の修繕のように建物を守るために必要な工事であれば、他の権利者の同意は必要ありません。しかし、増築や減築など部分的なリフォームをするならば、権利者の過半数からの同意が必要です。

そして、リノベーションして間取りを一新し、最新の設備も導入するというように工事の範囲が家屋全体に及べば、権利者全員に同意を得なければいけなくなるのです。リフォームやリノベーションを自由にできなければ、住人は不便な生活を強いられることになります。部屋が足りなくて窮屈な思いをすることになる、足腰が不自由な高齢者が段差のある家で暮らさなければいけなくなるのです。

権利者間で共有持分売却をして住人がすべての権利を握れば、共有状態がもたらす問題を解決できるというメリットがあります。リフォーム・リノベーションによって住心地のよい家になれば、住人は安心して暮らせるようになるでしょう。子どもや孫に家を相続してもらうことを考える場合は、老朽化した家よりもリフォーム・リノベーションをした家のほうが好まれそうです。

離婚しても家を出ていかなくてもすむ

夫婦で共有していた家の場合、離婚をすれば同じ住宅に住むことはないでしょう。家の扱いをどうするのか考える必要があります。仮に、どちらか一方が住環境を変えたくないと主張し、これまで通り暮らすつもりならば、権利者間の共有持分売却をしたほうがよいでしょう。

家は完全に住人のものになるので、リフォームなどをするときに一方に許可を求める必要はなくなります。将来的に家を手放すときも、反対される恐れはありません。険悪な状態になっているならば、嫌がらせに返事をしないこともあるので、早期に単独での所有にしたほうがメリットは大きいでしょう。

権利者間が夫婦であり共有持分売却をする場合、注意するべきは単独の所有になったときの維持管理費を負担できるかです。これまで夫婦で負担していた修繕費や税金などを、1人で払うことになります。財産分与である程度の資産を持っていたとしても、共有持分の売買を行うためには、代金を相手に支払うことになります。

そうなると、必然的に手元に残る資金が少なくなり、維持管理費を捻出できなくなる恐れがあるでしょう。自分の資力で維持管理費を支払えるかどうか知りたい人は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。専門家と話をした上で、維持管理費について問題がないということであれば、共有持分売却の手続きを進めてもよさそうです。

 

家の権利を複数人で共有しているときは、売却やリフォームなどをするときに権利者全員あるいは過半数の同意が必要です。共有持分売却をして単独の所有にしたら、同意を得る必要はなくなり権利者1人が自由に判断できるというメリットが生まれます。また、離婚をした夫婦の場合には、どちらか一方に共有持分売却をして権利をまとめることで、権利者がそのまま家に住めるようになるのです。

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