共有状態を解消したい!共有物分割請求とは?分かりやすく解説

公開日:2020/04/01  最終更新日:2020/04/13

不動産を相続した場合、相続人が複数存在すると、不動産は共有になります。円満ならば共有のままでも構いませんが、意思に食い違いが生じた場合は、賃貸でも売却でも各自の持分のみでは契約まで至らないことがあります。そんなとき共有物分割請求をすれば、一人の名義にすることが可能で、不動産の価値を高めるとともに処分が楽にできます。

共有物分割請求は協議でもできるのか

単刀直入にいうと共有物分割請求は、共有者の協議で行ってもまったく問題はありません。お互い納得の上で、移転登記をして単独所有にさえすれば良いのです。その後に現れた不動産の買主が、共有者間でどのような話し合いが行われたのか気にしなくても大丈夫です。

ただ、共有持分を円滑に分割するのは案外難しく、協議までの利用状況や管理費などの負担状況といった問題が複雑に絡み合います。話し合いではどうしても折り合いが付かないとき、訴訟手続きを利用することが可能です。

共有物分割訴訟といって、協議の対象となった不動産が所在する場所、または分割請求に応じてくれない共有者の住所地を管轄する地方裁判所にて提起できます。共有者が3名で、1名は分割請求に応じているときでも2名を相手に訴訟を提起しなければなりません。

ここでひとつ注意が必要なのは、遺産分割と共有物分割の区別です。どうして重要かといえば、訴訟の管轄が変わるからです。遺産分割の場合は家庭裁判所へ訴えを提起します。この違いですが、相続を契機にして相続人だけが共有持分を分け合っているときを基準に考えると良いでしょう。

相続人の1人が、持分を第三者へ売却した後ならば、共有物分割です。訴訟の場合、裁判所によって分割方法が決定されるため、当事者の言い分が過剰に衝突しない効果が期待できます。しかも裁判所の決定は当事者で解消できません。共有物分割請求は、まずは協議をし、まとまらないときは訴訟を利用する手順です。

共有物分割の方法にはどのような種類があるか

協議にしろ訴訟にしろ円滑に共有物を分割するためには、いくつかの方法を理解する必要があります。不動産の持分は、屋根とドアは配偶者の所有でリビングとトイレが子の所有といったように分けられる対象物に具体性があるわけではなく、2分の1といった割合が決められるだけです。したがって、預金のような分割と同様に考えてはいけません。

共有物の分け方で最も分かりやすい方法のひとつが、現物分割でしょう。土地であれば分筆した上でそれぞれを共有者が所有しますし、土地と建物を別々の所有者にしても良いでしょう。ただし分筆をする手間や考慮が必要です。

不動産すべてを1人の所有物にし、その対価を他の共有者に分けるのが、賠償分割です。不動産を主に利用してきた共有者1人が取得することで、その後も利用を継続できるメリットがあります。

ただ、共有者全員が不動産を利用する予定がないことも考えられます。そんなときは第三者へ不動産すべてを売却し、その対価を共有者で分割する方法が最適で、代価分割と呼びます。不動産全てを対象に売却すれば買い手が探しやすく、しかも代価は共有者間で容易に分けられるのがメリットです。

以上が主な分割方法ですが、話し合いさえ首尾よく運べば、これらを上手に組み合わせて共有者の事情に応じた分割も可能でしょう。いずれにせよ分割方法を理解しておくことは重要です。

第三者への共有持分売却は単独でできるのか

不動産を共有するとき、共有持分売却は単独でできます。持分は自分の権利ですから当然といえば当然です。

しかし共有持分売却ではなく、共有物の売却はどうでしょうか。この場合は他の共有者の同意が必要ですから単独ではできません。つまり単独では不動産すべてを勝手に売却できないのです。

結局、持分売却は単独でできても、持分だけでは利用価値が低くなり、買い手が探しにくいのが実情です。こういった実情に対応するため、現物分割や賠償分割あるいは代償分割があります。いずれも単独の所有者にする方法ですから、不動産すべてを売却したいときには便利です。

当事者で話し合いがまとまらないときは、共有物分割訴訟を利用することの他に、仲介会社や買取会社に相談する方法もあります。これらの会社は不動産取引に関するノウハウが豊富ですから、持分だけの売却でも相談に応じてくれるでしょう。

ただし、仲介と買取の違いは知っておく必要があります。仲介は納得できる買主が現れるまで待つ必要があり、売主が自分で探すか仲介してくれるかの違いです。したがって、持分のままで期待を大きくしてはいけません。

一方買取は不動産会社が購入するため、価格は低くなるものの早く現金化したいときは有効でしょう。売却を相談した段階で持分のみに価値があるのか、他の共有者は誰なのかなど総合的に判断して買取の決定を下すため、共有持分売却にとって利用しやすいメリットがあります。

 

共有物分割請求権は、不動産の共有者ならだれでも有する権利です。話し合いで円満に分割できれば特別な手続きを必要としません。分割で揉めたとき初めて訴訟を利用しますが、裁判所の決定は公正に行われるため、その後当事者で解消はできません。

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