共有持分の固定資産税の納税義務者は誰?滞納した場合の最悪なケースとは?

公開日:2020/10/15  最終更新日:2020/10/09

相続などで共有持分を取得した場合、所有者の一人として固定資産税の支払い義務を負担することになります。共有持分売却を検討しているなら税金の滞納がないことが前提になり、納税しないまま放置していると第三者に売却することは困難です。ここでは、納税義務者の義務や支払い方法、滞納した場合の顛末など、基礎的知識を解説していきます。

固定資産税の納税義務者は誰なのか?

固定資産税とは家や土地などの不動産を所有することの便益に担税根拠を見出して課税する地方税の一種です。市町村の税収では重要な位置を占め、自治体も徴収に積極的です。単有名義であればだれが納税するべきかは明白ですが、共有不動産の場合はどうなのでしょうか。

この税金は不動産を所有する点に課税根拠があるので、共有不動産であれば共有者全員が負担していることになります。しかも持分に応じて負担すれば足りるというものではなく、共有者全員が連帯債務として納税する義務を負っているわけです。

連帯債務とは債務者相互が全額について各々が負担している債務のこと、これは課税主体の自治体からみれば、共有者の誰にでも金額を請求できる、ということを意味しています。当然共有者間では持分に応じて具体的に納税額を決めているかもしれません。しかしこのような共有者内部での特約は自治体に対しては主張しても法的に意味はないわけです。

また誰かが全額を負うように兄弟間などで取り決めて支払うことは可能です。しかし税法上は贈与に該当すると判断される可能性があり、高額な出費では贈与税の納税義務は発生することもあります。もっとも共有不動産を利用する趣旨や性質によっては、生活費贈与にあたり贈与税の対象外になることも。持分割合とは異なる負担割合で納税するときはこのあたりは事前に確認しておくことをおすすめします。

代表者の定め方や課税額の確認方法など

共有持分売却の機会に税金滞納が発覚したら大変です。滞納状態を解消するために一時的に多額の出費が必要になることもあるからです。

相続などで共有持分を取得したときは、納税方法などはしっかり確認し、定期的に納税することが大切です。共有不動産を取得することになると、まず代表者を決定することになります。 固定資産税の代表者とは、市町村などが行う評価替えなどの調査や質問に対応したり実際に税金を納付する人のことです。

不動産を共有すると市町村から代表者の決定を求める文書で通知が来る仕組みになっています。本来であれば納税義務者は共有者全員である以上、格別に納付書通知や調査なども実施するべきです。しかし共有者は日本全国に居住している可能性があり事務負担が過重になり、また兄弟間の取り決めを主張して納税に応じない可能性もあります。

そこで市町村は、一連の手間やトラブルを回避するため、共有者の間で話し合いをさせて、代表者のみを対象に通知や調査などを実施するシステムを採用しているわけです。 代表者の決め方ですが、共有不動産に居を構えている方にするのが一般的です。

なぜなら共有不動産に住所を定めていない方を代表者にすると、市町村からの問い合わせなどに対応するのが困難ですから、共有不動産に高齢者のみが居住しているような特別の事情がない限り、実際に共有不動産に居住している人を代表者にするのが妥当です。

固定資産税を滞納したらどうなるのか?

共有持分売却を円滑に進めるには、固定資産税の滞納は回避しなければなりません。しかし経済的事情により納税が困難になることもあり得ます。滞納したときの顛末はどのような帰趨をたどるのでしょうか。 固定資産税を滞納し通知しても納税されない状況では、まず共有持分者全員に向けて、納付書を発送します。固定資産税は法定の連帯債務なので、共有者の一人ひとりが全額の納税義務者です。

まず固定資産税を滞納すると、延滞税が発生します。年4回のそれぞれの納付期限の翌月から1ヶ月間は年利2.9%、それ以降は年率9.2%の延滞税を支払うことになります。しかも租税債権は破産開始決定を受けても免責されない過酷な債務です。

ところで市町村は支払期限を過ぎても支払がないと、20日以内に督促状を発送します。督促状を発送してから10日を経過しても納付されない場合は市町村は差し押さえをしなければならない、と法律で規定されています。 市町村が差し押さえを進める姿勢が決まると、共有者全員の財産が調査されます。

その結果をみて強制執行に入り預金口座から強制的に税金を徴収したり、資産を持ち出してオークションにかけるなどして現金化して回収を図ります。共有不動産を競売にかけることもあり、最終的に財産を失うことになります。強制執行は住宅ローンなどの期限の利益喪失事由なので、住宅ローンの一括返済を請求されるリスクもあり、絶対に回避する必要があります。

 

共有持分売却にあたっては固定資産税の滞納は絶対に回避したいところです。共有不動産は共有者全員が納税義務者で連帯して納付義務を負います。代表者を決めて納税しますが、支払を怠ると共有者全員の財産調査からはじまり、最終的に差し押さえ後強制執行を受けて共有不動産そのものを喪失するリスクがあります。

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