共有財産とは?特有財産との違いや財産分与の際に知っておきたいことを解説

公開日:2022/12/15  最終更新日:2022/11/25


離婚の際、重要なことの一つに「財産分与」があります。財産分与で気を付けなければならないのは共有財産や特有財産の扱いです。今回は法務省が提示している財産分与の説明や共有財産の定義、共有財産と特有財産の違い、財産分与を行う際に知っておきたいことなどについてまとめます。

財産分与とは何か

法務省のホームページにおいて、財産分与とは「離婚をした者の一方がほか方に対して財産の分与を請求できる制度」と説明されています。もう少し簡単にいえば、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を離婚時に分配する制度のことです。

財産分与には共有財産の分与・生活が苦しくなってしまう人に対する扶助分与・離婚に至った責任を相手に取らせるといった意味合いで支払われる慰謝料的財産分与などがあります。財産分与については当事者間で話し合って決められますが、協議が不調に終わった場合は家庭裁判所に調停・審判を申し立てることが可能です。財産分与の期間は離婚後2年間と定められています。

共有財産とは

共有財産とは、夫婦が婚姻中に築いた財産のことです。共同生活に必要な生活必需品や家具などの動産、婚姻期間中に購入した不動産が対象となります。共有財産を考えるうえで注意すべき点があります。それは所有権があいまいなものは共有財産とみなされるということです。これは民法第762条の2で「夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する」と定められているからです。

また、夫婦どちらかの名義になっている財産であっても、夫婦の協力で形成された財産だった場合は、共有財産とみなされます。夫が会社員で妻が専業主婦というケースを取り上げると、夫の給料で購入した財産であっても、妻が家事の分担などをして夫を支えていたとみなされれば、その財産は共有財産としてカウントされます。現金や預貯金、株式などの金融資産・有価証券、不動産、退職金、住宅ローンなどの共有財産として扱われます。そう考えると、共有財産はかなり広範囲に及ぶといえるでしょう。

特有財産との違い

特有財産とは、夫婦の一方が婚姻前から持っていた財産や婚姻後に自分名義で得た財産のことです。民法762条の1で「婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする」と定められています。夫婦の一方が独身時代にためていた貯蓄や婚姻後に相続によって受け継いだ財産などは特有財産となり、離婚時の財産分与の対象とはなりません。

ただし、婚姻前に取得した財産でも夫婦の協力で維持されているものについては共有財産に含まれることがあります。このように特有財産と共有財産の境界線はあいまいな部分があるため注意が必要です。

財産分与を行う際に知っておきたいこと

財産分与を行う際、知っておかなければならないことは何でしょうか。

1つ目は共有財産と特有財産の境目を明確に区別する必要性があることです。資産管理や財産の使用についてあいまいな部分が多ければ多いほど、特有資産ではなく共有資産とみなされ、財産分与の対象となってしまうからです。

2つ目は負債も財産分与の対象となることです。共同で形成する負債の代表は住宅ローンでしょう。特別な取り決めがない場合、住宅ローンも財産分与の対象となるため、離婚後も双方が支払うことになります。しかし、個人が勝手に作った負債、たとえばギャンブルによる借金などは財産分与の対象となりません。

3つ目は財産分与の割合は話し合いによって決まることです。多くの場合、2分の1ずつで折半しますが、協議によってはそれ以外になることもあるので、必ず半分ずつになると思い込むのはリスクがあります。

財産分与は面倒ごとが多いので専門家に依頼しよう

財産分与は必ずしもすんなりと収まるわけではありません。とくに、円満に離婚できないようなケースではしばしば面倒な事態に発展してしまいがちです。そんな時に頼りになるのが専門家です。専門家が間に入れば、財産の正確な査定や離婚時に請求できる財産分与の金額などを明らかにできます。

さらに、養育費など別の費用請求の面でも専門家からアドバイスをもらうことができます。面倒ごとをできるだけ少なくするという観点からも、財産分与については専門家に依頼するのがベターではないでしょうか。

まとめ

今回は離婚時に問題となる財産分与や特有財産の扱いについてまとめました。財産分与とは夫婦が共同で築いた財産の分配であり、多くの財産が共有財産として扱われます。その一方で独身時代に貯蓄したお金や相続によって手に入れた資産は特有財産とされ共有財産と別個に扱われます。共有財産と特有財産の境界線は微妙であるため、専門家の意見を聞きつつ財産分与に取り組む必要があります。あとあと大きなトラブルに発展するのを防ぐためにも、財産分与に関することは専門家に依頼したほうがよいでしょう。

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