遺産で手にした不動産の共有持分を相続登記前に売却できる?

公開日:2020/06/15  最終更新日:2020/06/17

相続が発生した場合に承継した遺産の共有持分売却を行うには、まず相続登記をしなければなりません。相続登記をしないと被相続人の名義のままになっています。被相続人から購入者に対して直接的に所有権移転登記をすることができないため、一旦相続登記を行った上で共有持分売却を行う必要があります。

相続登記前の共有持分売却はできません

不動産を相続した場合には遺産分割協議が終了していなければ、不動産は相続人全員の共有状態とされます。各共有者の持分は法定相続分によって決まります。協議が成立したら、決定された内容に従って特定の相続人が不動産を相続し名義書き換えを行います。

相続登記の前に承継した共有持分売却を行うことはできません。売主と買主の合意によって実体上の権利は移転します。しかし被相続人の名義のままでは所有権移転登記を行うことができません

不動産登記は発生した事実を正確に記録する必要があります。そのためまず被相続人から相続人への所有権移転登記を行い、さらに共有者の1人から購入者に対して持分移転登記を行うことになります。実体上の権利が移転しても登記ができないため、実務上は相続登記前に共有持分売却を行うことはできないとされます。

被相続人は既に亡くなっており真実の所有者ではなくなっています。購入者に対して直接的に所有権移転登記を行うことは不可能です。

相続した共有持分売却を行うには、まず被相続人から相続人への所有権移転登記を行う必要があります。その後に相続人間で遺産分割協議により登記をすることになりますが、登記をしなくても第三者に持分を譲渡することは可能です。

共有持分売却によって素早く現金化したい場合は、専門業者に相談するとよいでしょう。特殊な不動産を扱うノウハウのある不動産会社に相談すれば、手厚いサポートを受けることができます。

相続登記後であれば不動産を処分できます

遺産分割協議が未了の状態であっても、共有不動産全体を売却することは可能です。相続人間で協議を行わない場合、不動産は法定相続分に基づいて相続人が共有しています。この場合は一旦不動産の名義を被相続人から相続人に移す必要があります。共有者全員が合意すれば、不動産全体を第三者に売却できます

土地や建物などを共有している場合に、第三者に全てを売却する行為は変更行為に該当しますが、変更行為を行うには共有者全員の合意が必要です。遺産分割を行わない場合に不動産全体を売却すると所有権は被相続人から相続人へ、相続人から購入者へと移転することになります。登記名義も同様に移転できるため、問題なく不動産を売却することが可能です。

共有持分売却を行う場合も同様に権利が移転します。 遺産分割をしてから不動産を第三者に売却する場合は、まず相続を登記原因として所有権移転登記を行います。相続登記をせずに協議を行った場合は、遺産分割を登記原因として相続人に所有権移転登記ができます。被相続人から権利を承継した相続人名義に所有権移転登記をしたら、さらに購入者に対する所有権移転登記を行うことになります。

遺産分割協議では特定の相続人が不動産全体を承継するケースや、各相続人の持分を確定するケースなどが存在します。相続登記後であれば遺産分割前でも不動産全体の売却や共有持分売却が可能です。

遺産分割前でも共有持分売却は可能です

被相続人が残した土地や建物を複数の人間が相続した場合には、まず相続を原因として所有権移転登記を行うことになります。例えば兄弟2人が親の財産を相続した場合の法定相続分は2分の1ずつです。

法定相続分に従って所有権移転登記を行った後で、遺産分割協議の前に共有者の1人が第三者に持分を譲渡することがあります。その後に協議が行われ相続人の1人が単独所有することになると、第三者との間で権利の対立が生じます。民法909条本文によると分割の効力は相続が開始したときに遡るため、最初から相続人の1人が所有者だったことになります。

一方で民法909条にはただし書きがあり、遺産分割によって第三者の権利を侵害することはできません。民法909条にはただし書きが適用される場合には分割の遡及効が制限されるため、第三者は共有持分を取得できます。

この規定によって第三者が保護されるためには、権利保護要件を備える必要があります。不動産の権利保護要件は登記なので、遺産分割が行われて相続人が持分移転登記をする前に購入者名義の登記を行わなければなりません。

相続登記さえしていれば、時期を問わず共有持分売却を行うことが可能です。ただし他の相続人とのトラブル回避や取引をスムーズに行うためには、事前に関係者の間で連絡を取り合うことが重要になります。共有不動産を専門的に扱う不動産会社に相談すれば、経験豊富なスタッフから適切なアドバイスがもらえるので安心です。

 

相続した不動産の共有持分売却を行うには、まず被相続人から相続人への所有権移転登記が必要になります。被相続人から購入者へ直接的に持分移転登記することはできないので注意しましょう。

相続登記後であればいつでも共有持分売却が可能ですが、トラブルを避けてスムーズに取引を行うには関係者間の意思疎通が重要になります。共有不動産を専門的に扱う不動産会社に相談すれば手厚いサポートが受けられるので安心です。

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